1. MSYS環境のアップデート
MSYS-1.0.11以上をインストールした場合、bashとmakeは新しい物になっています。
make 3.8.1 以上
bash 3.1 以上
であれば問題ありません。
MSYS環境が古い場合、bash-2.0だと、configureの判定ルーチンで引っかかって、
Broken shell detected. Trying alternatives.
というメッセージが出ることがありますので、MSYSのshを更新しておきましょう。
makeも古い場合は更新します。
・make-3.81
http://sourceforge.net/downloads/mingw/MSYS/make/make-3.81-3/
make-3.81-3-msys-1.0.13-bin.tar.lzma
・bash-3.1.17
http://sourceforge.net/projects/mingw/files/MSYS/BaseSystem/bash/bash-3.1.17-2/
bash-3.1.17-2-msys-1.0.11-bin.tar.lzma
ダウンロードしたファイルを、C:\msys\1.0\ に解凍します。
2. MinGW環境のアップデート
現時点での最新版、gcc-4.5.2をインストールします。
以下のファイルを、すべて
C:\MinGW\
に、解凍します。
以下の旧バージョンのライブラリが
C:\MinGW\lib\
のディレクトリに残っている場合は削除してください。
libstdc++.a
libstdc++.la
libsupc++.a
libsupc++.la
・gcc-4.5.2
http://sourceforge.net/downloads/mingw/MinGW/BaseSystem/GCC/Version4/gcc-4.5.2-1/
gcc-core-4.5.2-1-mingw32-bin.tar.lzma
gcc-c++-4.5.2-1-mingw32-bin.tar.lzma
libgomp-4.5.2-1-mingw32-dll-1.tar.lzma
libgcc-4.5.2-1-mingw32-dll-1.tar.lzma
libssp-4.5.2-1-mingw32-dll-0.tar.lzma
libstdc++-4.5.2-1-mingw32-dll-6.tar.lzma
・gmp
http://sourceforge.net/downloads/mingw/MinGW/gmp/gmp-5.0.1-1/
libgmpxx-5.0.1-1-mingw32-dll-4.tar.lzma
libgmp-5.0.1-1-mingw32-dll-10.tar.lzma
・mpfr
http://sourceforge.net/downloads/mingw/MinGW/mpfr/mpfr-2.4.1-1/
libmpfr-2.4.1-1-mingw32-dll-1.tar.lzma
・mpc
http://sourceforge.net/downloads/mingw/MinGW/mpc/mpc-0.8.1-1/
libmpc-0.8.1-1-mingw32-dll-2.tar.lzma
上記のもの以外に、最新版のGCCは以下の所からもダウンロードできます。
どれかお好みでインストールしてください。
・TDM-GCC
http://tdm-gcc.tdragon.net/download
・Komisar Mingw stuff
http://komisar.gin.by/mingw/
その他、以下の3つのパッケージも最新のものにしておきましょう。
MinGWをインストールした時点で最新版になっていれば、更新は不要です。
・GNU Binutils
http://sourceforge.net/downloads/mingw/MinGW/BaseSystem/GNU-Binutils/binutils-2.21/
binutils-2.21-2-mingw32-bin.tar.lzma
・MinGW API for MS-Windows
http://sourceforge.net/downloads/mingw/MinGW/BaseSystem/RuntimeLibrary/Win32-API/w32api-3.17/
w32api-3.17-2-mingw32-dev.tar.lzma
・MinGW Runtime
http://sourceforge.net/downloads/mingw/MinGW/BaseSystem/RuntimeLibrary/MinGW-RT/mingwrt-3.18/
mingwrt-3.18-mingw32-dev.tar.gz
mingwrt-3.18-mingw32-dll.tar.gz
上記のファイルを、すべてC:\MinGW\ の下に解凍すればOKです。
こちらの記事を参考にパッチを適用してください。
implicit declaration of function 'strcasecmp'
2011/03/31 追記
2011/03/25の更新で、strcasecmp関数とtempnam関数のパッチは不要になりました。
追加で、MSYS DTKをインストールします。
MSYS Supplementary Tools
http://sourceforge.net/downloads/mingw/MSYS/Supplementary%20Tools/msysDTK-1.0.1/
より、
msysDTK-1.0.1.exe
を、ダウンロードして実行します。
perl、automake、autoconfなどがインストールされます。
3. 個別のライブラリについて
以下のライブラリは、あらかじめインストールしておいてください。
この記事を書いた時点より新しくなっているものもありますので、それぞれの記事で確認してください。
nasm-2.08.04
yasm-1.1.0
zlib-1.2.5
bzip2-1.0.6
gsm-1.0.13
lame-3.98.4
opencore-amr-0.1.2
openssl-1.0.0c
rtmpdump-2.3
libogg-1.2.2
libvorbis-1.3.2
libtheora-1.1.1
libvpx-0.9.5
x264 (make fprofiled)
xvidcore-1.3.0
4. FFmpegのコンパイル
FFmpegは、以下の場所にあります。
http://ffmpeg.org/
svnがインストールされていれば、以下のようにして、ソースファイルを拾ってこれます。
$ svn co svn://svn.mplayerhq.hu/ffmpeg/trunk ffmpeg
svnがインストールされていない場合でも、とりあえず、snapshotのソースファイルを拾ってくればコンパイルできます。
Downloadから、
http://ffmpeg.org/download.html
full checkoutの、
ffmpeg-checkout-snapshot.tar.bz2を、適当なディレクトリに保存します。
MSYSで、ファイルを保存したディレクトリに移動し、
$ tar xjf ffmpeg-checkout-snapshot.tar.bz2
$ cd ffmpeg-checkout-2010-12-25
ソースファイルを展開して作成されるディレクトリは、snapshotの日付になっていますので、その時点のディレクトリ名に読み替えて下さい。
2011/03/26 追記
ソースコードはGitで管理されるようになり、SVNはrev.26402で更新が止まっています。
今後は、Gitをインストールして、以下のコマンドでソースコードを入手してください。
$ git clone git://git.videolan.org/ffmpeg.git
または、
Get FFmpeg
http://www.ffmpeg.org/download.html
ここの、Snapshotのリンクからソースコードをダウンロードできます。
ファイルは、ffmpeg-HEAD-(Gitハッシュ値).tar.gz という形式になっていますので、そのファイル名に読み替えてください。
$ tar xzf ffmpeg-HEAD-1c0a472.tar.gz
$ cd ffmpeg-HEAD-1c0a472
次に、libvpx関連、その他諸々の一括パッチを適用します。
2011/04/01 追記
パッチファイルを更新しました。(rev.28742(1caa412)〜)
ffmpeg-w32threads-20110401.diff
$ patch -p1 < ffmpeg-w32threads-20110401.diff
パッチを適用したら、configureを実行します。
FFmpeg rev.23653から、libfaadが削除されています。
HE-AAC v2デコーダーが本体に実装されたので、libfaadは不要になったらしいです。
Unknown option "--enable-libfaad".
というメッセージが出る場合、
--enable-libfaad --disable-decoder=aac
は削除してください。
$ ./configure --enable-memalign-hack --enable-gpl --enable-version3 --enable-postproc --enable-libopencore-amrnb --enable-libopencore-amrwb --enable-libgsm --enable-libmp3lame --enable-librtmp --enable-libvorbis --enable-libtheora --enable-libxvid --enable-libvpx --enable-libx264 --disable-ffserver --disable-ffplay --disable-ffprobe --enable-avisynth --enable-small --enable-w32threads --extra-ldflags=-static --extra-cflags="-mtune=athlon64 -mfpmath=sse -msse -fno-strict-aliasing"
最適化オプションは、PCの環境により以下のようにしています。
※あくまでも一例ですので、もっと凝ってみたい方は、gccのマニュアルなどを見て研究されると良いかもしれません。
最適化無し版
--extra-cflags="-march=i686 -mtune=generic -fno-strict-aliasing"
※最適化無し版については、個別のライブラリのコンパイルにも
-march=i686
を、CFLAGSに追加して他と分けています。
Pentium4最適化版
--extra-cflags="-mtune=pentium4 -mfpmath=sse -msse -fno-strict-aliasing"
Core2最適化版
--extra-cflags="-mtune=core2 -mfpmath=sse -msse -fno-strict-aliasing"
Athlon64最適化版
--extra-cflags="-mtune=athlon64 -mfpmath=sse -msse -fno-strict-aliasing"
Phenom最適化版
--extra-cflags="-mtune=amdfam10 -mfpmath=sse -msse -fno-strict-aliasing"
問題なければ、以下のようなメッセージが出ます。
source pathはコンパイル環境により異なります。
思ったよりも時間がかかりますので、気長に待ちましょう。
configureのメッセージを見る
(長いので中略)
Creating config.mak and config.h...
その後、
$ make
ffmpeg.exeが出来ていれば完了です。
【補足】
自分用の場合は、再配布を考えなくても良いので、libfaac入りのFFmpegをビルドすることもできます。
追加で、libfaacをコンパイル&インストールします。
libfaac のコンパイル&インストール
configureオプションの適当な所に、
--enable-nonfree
--enable-libfaac
を追加します。
configureのメッセージに、
libfaac enabled yes
と表示されていれば、makeして完了です。
FFmpegのエンコードオプションで、
-acodec libfaac
が使えるようになります。
当サイトで配布しているFFmpegは配布用のため、libfaacは無効にしています。
【更新履歴】を見る
パッチファイルがNotFoundになっているようです。
申し訳ありません。
アップし忘れていました。
ご指摘ありがとうございました。