2011年07月31日

FFmpegのコンパイル (2011/07/31) pthreads

それでは、FFmpeg(pthreads版)のコンパイルです。

MSYSとMinGWから準備する方は、1、2番の記事からお読みください。
MSYSとMinGWの準備ができている方は、3番の記事からお読みください。

1. MSYS環境のアップデート

2. MinGW環境のアップデート

2012/05/02 追記
FFmpegのDirectShow(dshow)を有効にするためには、MinGW-w64が必要です。
MinGWのmingwrtとw32apiの代わりに、MinGW-w64を使う方手順は、以下の記事を参照してください。
MinGW-w64 for win32 のインストール

2012/05/12 追記
MinGW-w64をインストールすると、winpthreadsというPthreadsライブラリが使用できます。
winpthreadsのインストール手順は、以下の記事を参照してください。
winpthreadsのコンパイル&インストール


3. 個別のライブラリについて
以下のライブラリは、あらかじめインストールしておいてください。
この記事を書いた時点より新しくなっているものもありますので、それぞれの記事で確認してください。
nasm-2.09.10
yasm-1.1.0
pthreads-w32 release 2.9.0
winpthreads (MinGW-w64) ※pthreads-w32と共存できません。
zlib-1.2.5
bzip2-1.0.6
libbluray-0.2.2
libcdio-0.83git
gsm-1.0.13
libmodplug-0.8.8.4
lame-3.98.4
opencore-amr-0.1.2
vo-aacenc-0.1.1
vo-amrwbenc-0.1.1
libogg-1.2.2
aoTuV Beta6.03 (libvorbis-1.3.2)
libtheora-1.1.1
speex-1.2rc1
libvpx-v1.0.0
x264 (make fprofiled)
xvidcore-1.3.2

OpenSSLを使用する場合は、以下の記事を参照してください。
openssl-1.0.0d
rtmpdump-2.4

PolarSSLを、OpenSSLの代わりに使用する場合は、以下の記事を参照してください。
当サイトでは、PolarSSLを使用しています。
polarssl-1.0.0
rtmpdump-2.4 PolarSSL版

2011/11/11 追記
GnuTLSを、OpenSSLの代わりに使用する場合は、以下の記事を参照してください。
OpenSSLはGPL非互換なので、GnuTLSかPolarSSLをおすすめします。
gnutls-3.0.12
rtmpdump-2.4 GnuTLS版

2011/12/07 追記
字幕ファイルを読み込むためのライブラリlibassを追加する場合、以下のライブラリが必要になります。
pkg-config_0.26-1_win32
libiconv-1.13.1
freetype-2.4.8
expat-2.0.1
fontconfig-2.8.0
fribidi-0.19.2
libass-0.10.0


4. FFmpegのコンパイル
FFmpegは、以下の場所にあります。
http://ffmpeg.org/

ソースコードはGitで管理されるようになり、SVNはrev.26402で更新が止まっています。
今後は、Gitをインストールして、以下のコマンドでソースコードを入手してください。
$ git clone git://git.videolan.org/ffmpeg.git

または、
Get FFmpeg
http://ffmpeg.org/download.html
ここの、一番上のSnapshotのリンクからソースコードをダウンロードできます。
ファイルは、ffmpeg-HEAD-(Gitハッシュ値).tar.gz という形式になっていますので、そのファイル名に読み替えてください。
$ tar xzf ffmpeg-HEAD-3b5ddf0.tar.gz
$ cd ffmpeg-HEAD-3b5ddf0

次に、configure、その他諸々の一括パッチを適用します。

2012/07/22 追記
パッチを更新しました。(rev.42739(9e1508f)〜)
ffmpeg-20120722.diff

2012/01/30 追記
FFmpeg rev.37209以降の更新で、「-flags2」で設定していたものが独立したオプションになり、特にx264関連の設定が大幅に変わりました。
以前の「-flags2」の設定も使用できるように、Revert用のパッチを作りましたので、必要であれば適用してください。

2012/06/16 追記
「-flags2」用のパッチを更新しました。(rev.41595(15f8941)〜)
ffmpeg-global_opts-20120615.diff

2012/04/17 追記
2012/04/13 以降、以下のようなエラーが出る場合があります。
library.mak:95: *** missing separator. Stop.

ファイルの最後に、改行コードが入っていないものがあるのが原因です。
その場合は、以下のパッチを適用してください。

2012/05/10 追記
改行コードが原因のエラーが出るMakefileが増えるたびに、パッチを適用するのも面倒です。
ダウンロード(git clone)済みのソースコードがある場合、一旦Makefileを全部削除して、改行コードをLFにして作成し直せば、エラーが出なくなります。

$ echo 'Makefile eol=lf' > .gitattributes
$ find ./ -name 'Makefile' -print | xargs rm
$ git stash

その後、以下のパッチを適用します。

$ patch -p1 < ffmpeg-20120722.diff
$ patch -p1 < ffmpeg-global_opts-20120615.diff

パッチを適用したら、configureを実行します。

FFmpeg SVN rev.23653から、libfaadが削除されました。
HE-AAC v2デコーダーが本体に実装されたので、libfaadは不要になったらしいです。
古い記事を参考にしている方で、
Unknown option "--enable-libfaad".
というメッセージが出る場合は、
--enable-libfaad --disable-decoder=aac
は削除してください。

2012/05/26 追記
テスト(make fate)を実行するためにffprobeが必要だったのですが、また必要なくなりました。
configureオプションに、--disable-ffprobe を追加しました。

$ ./configure --enable-gpl --enable-version3 --enable-avisynth --enable-fontconfig --enable-libass --enable-libbluray --enable-libopencore-amrnb --enable-libopencore-amrwb --enable-libcdio --enable-libfreetype --enable-libgsm --enable-libmodplug --enable-libmp3lame --enable-librtmp --enable-libspeex --enable-libvorbis --enable-libtheora --enable-libvo-aacenc --enable-libvo-amrwbenc --enable-libvpx --enable-libx264 --enable-libxvid --disable-ffplay --disable-ffprobe --disable-ffserver --enable-pthreads --extra-ldflags=-static --extra-cflags="-mtune=athlon64 -mfpmath=sse -msse" --optflags="-O2 -finline-functions"


最適化レベルは、以前は、
--enable-small 有りの場合 -Os
--enable-small 無しの場合 -O3
しか選択できませんでしたが、FFmpeg Git rev.30971(4b87a08)から、
--optflags
というオプションが追加され、最適化レベルを変えられるようになりました。

--enable-small 有りだと、バイナリのサイズは小さくなるが、エンコード速度が落ちる。
--enable-small 無しだと、エンコード速度は速いが、バイナリのサイズがでかくなる。
--enable-small 無しで、--optflags="-O2 -finline-functions" だと、バイナリサイズがあまり大きくならないわりに、--enable-small 無しの場合とエンコード速度が大して変わらない。

ということで、色々試した結果、以下のようにしました。
--enable-small 無し
--optflags="-O2 -finline-functions" 追加


最適化オプションは、PCの環境により以下のようにしています。
※あくまでも一例ですので、もっと凝ってみたい方は、gccのマニュアルなどを見て研究されると良いかもしれません。

最適化無し版
--extra-cflags="-march=i686 -mtune=generic"

Pentium4最適化版
--extra-cflags="-mtune=pentium4 -mfpmath=sse -msse"

Core2最適化版
--extra-cflags="-mtune=core2 -mfpmath=sse -msse"

Athlon64最適化版
--extra-cflags="-mtune=athlon64 -mfpmath=sse -msse"

Phenom最適化版
--extra-cflags="-mtune=amdfam10 -mfpmath=sse -msse"

FFmpegのconfigureオプションに、
--cpu=athlon64
などど追加すると、そのCPUに特化した最適化が実行されますので、ご自分の環境でしか使用しない場合は、試してみると良いかもしれません。

2012/01/07 追記
Core2最適化版、Athlon64最適化版、Phenom最適化版のconfigureオプションに、--cpu=i686 を追加しました。
Pentium4のconfigureオプションに、--cpu=pentium4 を追加しました。
configureの結果に以下のような違いがあります。

・「--cpu」オプション無し
CMOV enabled=no, CMOV is fast=no, EBX available=yes, EBP available=no
・「--cpu=i686」オプション追加
CMOV enabled=yes, CMOV is fast=yes, EBX available=yes, EBP available=yes
・「--cpu=pentium4」オプション追加
CMOV enabled=yes, CMOV is fast=no, EBX available=yes, EBP available=yes


問題なければ、以下のようなメッセージが出ます。
source pathはコンパイル環境により異なります。
思ったよりも時間がかかりますので、気長に待ちましょう。

configureのメッセージを見る

(長いので中略)
License: GPL version 3 or later
Creating config.mak and config.h...

その後、
$ make

ffmpeg.exe が出来ていれば完了です。


【補足】
自分用の場合は、再配布を考えなくても良いので、libfaac入りのFFmpegをビルドすることもできます。

追加で、libfaacをコンパイル&インストールします。
libfaac のコンパイル&インストール

configureオプションの適当な所に、
--enable-nonfree
--enable-libfaac
を追加します。

configureのメッセージに、
libfaac enabled yes
と表示されていれば、makeして完了です。

FFmpegのエンコードオプションで、
-acodec libfaac
が使えるようになります。

当サイトで配布しているFFmpegは配布用のため、libfaacは無効にしています。


【更新履歴】を見る
posted by あべちん at 05:05 | Comment(2) | TrackBack(1) | FFmpegビルド
この記事へのコメント
flags2の設定が効かなくなっているのに気づきませんでした;
パッチ利用させて頂きます。
thx
Posted by at 2012年02月06日 15:07
鮎さん、こんにちは。管理人です。

コメントありがとうございます。

いつの間にかオプションが変わっていることが時々あるので、困ったもんですね。

お役に立てて幸いです。
Posted by あべちん at 2012年02月08日 01:28
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