sezeroさんがビルドしたものを使っていたのですが、mingw-w64-v1.0.7がリリースされてしばらく経つのに、sezeroさんの方はmingw-w64-v1.0.6から更新されていないので、自前でビルドしてみました。
2013/04/21 追記
sezeroさんがビルドしたものは、2013/04/10付のrev.5747で、mingw-w64-v1.0.8になりました。
MinGW-w64は、こちらにあります。
GCC for both x64 & x86 Windows! - MinGW-w64
http://mingw-w64.sourceforge.net/
mingw-w64-v1.0.x系とmingw-w64-v2.0.x系があります。
mingw-w64-v2.0.x系は、Windows Vista/7以降です。
mingw-w64-v1.0.x系を、MinGW 32bit環境にインストールする手順を説明します。
64bitとのmultilib環境
2013/06/10 追記
Windows XPのMinGW環境で、mingw-w64-v2.0.8をビルドしてgcc-4.8.1と一緒に使用し、
gcc-4.8.1とgcc-4.8.1をビルドするのに必要なライブラリ一式
FFmpeg本体とFFmpegをビルドするのに必要なライブラリ一式
などをmakeしてみたところ、特に不具合はありませんでした。
mingw-w64-v2.0.x系は、Windows Vista/7 APIが大量に追加されたと書かれていたので、Windows Vista/7以降でしか使用できないと思い込んでいましたが、Windows XPでも使用できました。
mingw-w64-v2.0.x系のビルド手順は【補足】をお読みください。
手順としては、ヘッダファイルを先にインストールしてから、Cランタイムライブラリを(crt)ビルドしてインストールします。
MinGW-w64のトップページから、左メニューのDownloadsにあるSourceをクリックします。
リンク先の、
Tarballs for the mingw-w64 sources are hosted on SourceForge.
と書いてある「SourceForge」のリンクをクリックします。
http://sourceforge.net/projects/mingw-w64/files/mingw-w64/mingw-w64-release/
ここから、
mingw-w64-v1.0.8.tar.gz
をクリックして、適当なディレクトリにダウンロードします。
MSYSで、ファイルを保存したディレクトリに移動し、
$ tar xzf mingw-w64-v1.0.8.tar.gz
$ cd mingw-w64-v1.0.8/mingw-w64-headers
$ ./configure --prefix=/mingw --with-sdk=all
$ make
$ make install
インストール先が「/mingw/i686-pc-mingw32/」になるので、「include」ディレクトリを、MinGW環境に上書きコピーします。
$ cp -rp /mingw/i686-pc-mingw32/include /mingw
次に、crtをインストールします。
ヘッダファイルと同様に、最後に「lib」ディレクトリを、MinGW環境に上書きコピーします。
$ cd ../mingw-w64-crt
$ ./configure --prefix=/mingw
$ make
$ make install
$ cp -rp /mingw/i686-pc-mingw32/lib /mingw
以上で終了です。
【補足】
sezeroさんがビルドしたものには、OpenCLなど、sezeroさんが独自で入れているライブラリとヘッダファイルがあります。
OpenCLなどが必要な場合は、以下の、sezeroさんのmingw-w64-v1.0.6相当のものをMinGW環境に上書きコピーしてから、mingw-w64-v1.0.7をインストールすれば良いと思います。
2013/04/21 追記
2013/04/10付のrev.5747は、mingw-w64-v1.0.8になっています。
http://sourceforge.net/projects/mingw-w64/files/Toolchains%20targetting%20Win32/Personal%20Builds/sezero_4.5_20111101/
sezero_20111101-w32-update-rev.5747.zip
mingw-w64-v2.0.x系は
Windows Vista/7 をお使いの方は試してみてください。
2013/06/10 追記
Windows XP でも使用できるのを確認しました。
http://sourceforge.net/projects/mingw-w64/files/mingw-w64/mingw-w64-release/
ここから、
mingw-w64-v2.0.8.tar.gz
をクリックして、適当なディレクトリにダウンロードします。
2013/06/10 追記
ヘッダのconfigureオプションに「--enable-secure-api」を追加しました。
fopen_sなど、セキュリティ強化版のAPIをデフォルトで使用できるようになります。
MSYSで、ファイルを保存したディレクトリに移動し、
$ tar xzf mingw-w64-v2.0.8.tar.gz
$ cd mingw-w64-v2.0.8
$ ./configure --prefix=/mingw --enable-sdk=all --enable-secure-api --without-crt
$ make
$ make install
$ cp -rp /mingw/i686-pc-mingw32/include /mingw
$ ./configure --prefix=/mingw --without-headers
$ make
$ make install
$ cp -rp /mingw/i686-pc-mingw32/lib /mingw
以上で終了です。
【更新履歴】を見る
mingw-w64-v1.0.7を入れてlibcdio(paranoia含む)はmakeできましたが、ffmpegのconfigureで「libcdioが無い」と怒られます。
sezero_20111101-w32-update-rev.5339だとffmpegのmakeまで正常に行えます。
あべちんさんは最後までmake出来ましたでしょうか?。
確認のため、mingw-w64-v1.0.7の環境で、libcdioとparanoiaのソースコードを解凍し直して、configureからやり直して再インストールしてみましたが、ffmpegもmakeできました。
何か微妙に違うのでしょうかね?
ffmpegのconfig.logで、libcdioに関するエラーメッセージは出ていませんか?
libcdio(paranoia含む)のみffmpegに入れた時は
--extra-libs="-liconv -lwinmm"
libiconvもリンクしないといけないのを忘れてました。
sezero_20111101-w32-update-rev.5339でmake成功したのは多数のライブラリーが入っててlibcdio以外にlibiconvが必要なライブラリーをffmpeg ./configure で指定してたためでした。
年末の忙しい時にご迷惑お掛けしましたm(__)m
色々と有難う御座ました。
来年も、あべちんさんにとって良い年でありますように。
私の場合は、足りないライブラリをconfigureに書き足しているので、分かりにくいかもしれませんね。
こちらこそ、いろいろとお世話になり、ありがとうございました。
X5-452さんも、来年も良い年でありますように。
mingw-w64-v2.0.7の./configureにてあべちんさんの表記にミスを見つけたので報告します。
--enable-sdk=all --without-crt
ではなく
--enable-sdk=all --without-headers
です(。>д<。)ゞ
どうしても--enable-sdk=all が無いぞって言われると思ってヘルプで発見しました。
コメントありがとうございます。
v2.0.7のsdk関連はheadersの方にあり、先にcrtなしでmakeしますので、
--enable-sdk=all --without-crt
で間違っていないと思います。
v2.0.7の場合はソースコードのトップディレクトリでconfigureを実行しますが、v1.0.7のheadersの場合は、mingw-w64-headersディレクトリで実行します。
あと、sdk関連では、v2.0.7は「--enable-sdk=all」、v1.0.7は「--with-sdk=all」で、enableとwithの違いがあります。
このあたりを確認して、やり直してみてください。